陰陽五行(算命学)では、60干支の中で、生まれた年、生まれた月、生まれた日に与えられる、3つの干支を解析することで、その人の個性の傾向を知ることができます。
占技には、【宇宙盤】といって、円形の図に、3つの干支をあてはめ、その3点を線で結ぶことで、その人の行動領域の広さや、どのような行動領域が得意なのかを調べるものがあります。
・宇宙盤には、陰陽五行で用いられる60干支が振り分けられます。
・円の中は、大きく4分割されており、干支の得意領域が決められています。
・占有する領域の数が多いほど、行動の幅が広く、人生において広範囲の人と接するようになり、領域が狭いと、行動が単調になり、交流範囲も限られたものになります。
・領域の面積は小さいほど個性的で、拘りが強くなっていきます。
有名人の命式を使って例を挙げてみますね。(敬称略)
①明石家さんま
4領域、すべてにかかっているので、行動の質も考え方も、クルクル変わります。異なった世界に住む人々を、容易に受け入れやすく、周りの人に対しても警戒心を持たせません。
②江頭2:50
①と同じ4領域ですので、まったく同じ傾向です。4領域は、ふわっと行動範囲が広い分、目的意識を強く持たないと、人生の方向転換が多くなり、迷走してしまいます。
③島田紳助
2領域での内でも、領域の範囲が狭いので、特定の範囲にだけ特化した行動を持つ型です。特に【伝達領域】と【攻撃領域】は、現実面に強い領域です。考えた事を、そのままスムーズに実行することができます。面積が狭いのは、それだけ個性が強く、その領域に対するこだわりも、相当高い傾向にあります。
④月亭方正(山崎邦正)
③と同じ2領域なので、傾向は同じです。ただ所有領域が【伝達領域】ではなく【習得領域】のため、行動と反省を繰り返す傾向があります。狭い範囲を、じっくり復習し積み重ねると、知識が定着し、仕事がはかどる人です。とっさの対応が難しく、軽い考えができません。時には頑固で融通が利かないと言われることもあるでしょう。
また、この宇宙盤は、二人の赤い△の重なり合いを見ることで、相性を見ることに使用します。重なり度合が高いほど、共通点が多く密着度の高い二人になりますし、まったく重ならない場合は、出会ってもなんとなく「合わないな・・」と感じたり、疎遠になってしまう間柄になりやすくなります。
次に、この【宇宙盤】にプラスして、もう少し詳しく60干支の特性を図に表してみましょう。
この図は、中心に近い方から、【宇宙盤】→【干支の行動分類】→【干支の精神分類】となっています。
【干支の精神分類】【干支の行動分類】といいますのは、この干支を持つ人が、人生の紆余曲折があった後、最終的に、どのような精神状態に落ち着き、どのような行動を取るのかを表したものです。
例えば、①の明石家さんまさんですと、日柱【60癸亥】50%に、最終的に、隠居的思想で理性的に人々の話を聞きながら、結局、周囲が何を言っても頑なに、次のチャンスを待とうとドッシリ落ち着くという性質があります。
月柱【19壬午】25%が、最終的に、自分の知識や経験を後進に伝えよう、未来に託そうと考えおり、本人は「自分はもういい」と言いながら、結局、自分中心で動いてしまう性質があります。
年柱【32乙未】25%に、最終的に、自分が最後まで皆の中心的存在でいないと気が済まない一面と、楽観的でノンビリ構える風流人、そして、人と人との繋がりを大切にするという潤滑油的な役割を果たす傾向が現れます。
②の島田紳助さんですと、日柱【27庚寅】50%と、月柱【28辛卯】25%の合計75%に、最終的に、自分が最後まで皆の中心的存在でいないと気が済まないし、そのための努力は惜しまない真面目な性質、そして攻撃的行動があります。
年柱【33丙申】25%に、最終的に、自分が最後まで皆の中心的存在でいないと気が済まない一面と、楽観的でノンビリ構える風流人、そして、人と人との繋がりを大切にするという潤滑油的な役割を果たす傾向が現れます。
という風になります。
結局、【精神分類】【行動分類】を大きくまとめると、それが【宇宙盤】の4分割になる訳です。
生年月日が分かり、干支番号さえ分かれば、陰陽五行の細かな仕組みを知らなくても、何となくその人となりが見えてくるので、なかなか面白い表だと思いませんか?
また、見かけのノリが軽そうでも、最終的には頑固だったり、見かけは優しくて親切でも、最終的には攻撃的な言動が出てくるなど、その人の二面性も見えてくるのです。
生まれた日付だけで、個性が分かるというのは、今陰陽五行の占術をしている、わたし自身も、説明のつかない不思議さを、日々感じています。
<参考 算命学 心技篇下 高尾義政著>