地支の蔵干内部に、自分自身を表す【日干】と同じ五行があることを【根がある】と表現します。
日干が、地支の蔵干内部に根がある命式の場合、本人も丈夫で、体力と勢いがある【身強】になりやすく、反対に、3柱どこにも根がない命式の場合は、身体のどこかに弱さがあり、勢いがなく、儚さすら感じさせる【身弱】になります。
①のような身強の命式の場合、体内の気力や体力が強くなっている状態ですから、何でも自分でできる気になり、人生を進むときも、自分自身を全面に押し出して生きていく生き方が多くなります。
そこで、命式が良い方に向かえば、実業家やクリエイター、スポーツ選手など、数多くの分野で活躍する人になります。
ところが、その強いパワーをコントロールできず、暴走させてしまった場合は、すぐに切れて暴力に訴えたり、トラブルや事故を起こしたり、逆にそのパワーで身を痛め、怒気をため込んだままの引きこもりになってしまうことがあります。
②のような身弱の命式の場合、気力も体力も、どこか弱弱しく、単独ではどうしても人生を渡ることが難しくなります。
そのため、本人は本能的に周囲の人々との調和を図ることで、組織や家族と共に生きて行こうとし、自分がその傘下に入ることで、突発的な事故やトラブルから身を守ろうとします。
従って身弱の命式は、どうしても人間関係を良好に保つ努力が必要ですが、反面、根がなく、身軽なので、現実に何等かのトラブルに遭遇しても、ゆらゆらと衝撃を吸収するため、大事故に至りにくいとされています。
ドラえもんでイメージするなら、身強はジャイアン、身弱はのび太、というところでしょう。
一見、【身強】は強いし良さそうに見えますが、この体内に生じる強いパワーは、幼少期から厳しい環境で過ごしたり、身体を激しく動かすことでしか消費できません。
うっかり消費することを怠ってしまうと、そのパワーは精神にも悪影響を及ぼし、イライラ、うつ的傾向、暴力的、切れる、虚無的になる、他人をいじめるという要因になります。
【身弱】は【身強】の反対で、身体が弱く、スポーツが苦手、存在感も薄く、子ども時代はいじめの標的になりやすいのですが、その危機的状況が、精神性の向上、自身の才能への気づきにつながることがあります。
何より、【身弱】は他人の注意や意見に耳を傾けるのに対し、【身強】は頑固で融通が利かず、他人の意見に耳を貸しません。そして、その事が良くも悪くも、人生の明暗を分けることに繋がります。
また、【身強】は後天運でさらに、ご自身を強くさせる干支が巡ると暴力的傾向が増し、【身弱】に根が生じると、期間限定ですが、元気になり、社会的に大いに活躍するチャンスが巡ってきます。
そのため、ご自身や、大切な人の宿命を予め理解しておくと、その後の人生の節目で、一体どういった干支が巡り、自分がどのような状況になるかを把握し、事前に対策を練られるところが、陰陽五行の面白さなのです。