運気を落とさない最善の方法(2)

陰陽五行

D.放浪型の生き方(火性・・南方)

家系のつながりなどの人間関係を気にせず、自由気ままに、働きたい時に働き、働きたくない時には働かないという、他人からとやかく言われる生活を、すごく嫌う生き方です。

周囲から見ると、よく言えば童心を忘れない真っ正直な自由人、悪く言えば、自分のことしか考えない身勝手な人という感じでしょう。基本的に身内親族からは嫌われる傾向にありますが、それでも自分の意思を貫いて生きていくのです。

自分の才能のみを信じ、自由を謳歌しながら生きるのもそうですし、ただ定職につかずその日暮らしをしている生き方もこれに該当します。

この生き方の運気のポイントとなるのは、【死に場所や、死に方を問わない覚悟があるかどうか】です。

突然、交通事故に遭遇するかもしれないし、人に襲われ殴られたり、刺されたりするかもしれない。有り金、全部を失い路上で野垂れ死にする可能性だってありますが、【それでも構わない】という覚悟さえあれば、どれだけ身勝手な生き方をしても、いくら周囲に迷惑をかけたとしても、運気が落ちることはありません。

しかし、この際、「死ぬときは、楽に死にたい」「痛みを感じずに安らかに死にたい」という虫のいい希望を持つこと、急に寂しくなって誰かに甘えようとすると、運気を急降下させてしまいます。

また、この形になる大きな要因は、親の在り方です。

親がAの【ドラマや漫画の主人公型の生き方】をしていると、その子どもは、このDの生き方に入る可能性が非常に高くなります。

とはいえ、算命学では、【自分の選択に対する結果を、ちゃんと引き受ける覚悟さえあれば、どのような行動を選択してもよい】という考えを持ちます。その際、物事の善悪や、道徳観などは、一切介在しません。

ただ単に【この選択をすると、こういう結果になるので、それは、あらかじめ【覚悟】しておくように】というお話なのです。

E.学者型の生き方(水性・・北方)

とにかく高度な知識を身につけることをモットーとし、そこから新しい発見するために、日夜没頭するタイプの生き方です。それは、学術的なもの、精神的、哲学的なもの、美術、芸術、音楽、文学、建築設計、プログラミング、なんでも構いません。

何をしても、常に自分の専門分野が頭から離れず、マニアックに生きていきます。その内容や研究している様は、周囲に理解されません。逆に理解できるものでしたら、それは大したものではないという判断になります。

この生き方の運気のポイントとなるのは、【生涯、一人孤独になっても構わないというという覚悟があるかどうか】です。

若い間は、全く孤独でも気にならない人は多いですが、50歳を過ぎた頃から、徐々に孤独が耐え難い気持ちになり、孤独に負けてしまう人も増えていきます。

孤独に負けて、今の自分の環境に対し、不平不満を抱え、愚痴をこぼしたりすると、一気に運気が低下し、これまでの積み上げも拡散し、最終的には【ただの人】になっていきます。

運気を落とさないためには、【自分のしている事が、誰にも(家族身内にすら)理解されなくていい】と腹をくくり、自分のスタンスを崩さないことです。

なぜ、生き方の分類を途中で変えない方が良いのか?

1つ例を挙げると、ある男性が、平凡なサラリーマンで就職し、そこそこのスペックの女の子と恋愛結婚し、家族で平凡な家庭を築こうとしたとします。この場合は、男性は、Bの【平凡で庶民型の生き方】を選択したことになります。

ところが、結婚後、子どもが生まれ、最初は幸せな結婚生活だったのに、次第に毎日頭を下げ続けるサラリーマン生活に嫌気がさし、いっそ独立して起業したいと考えることもあるでしょう。

ただ、それでも、Bの覚悟である【子どもの幸せを最優先に考えて生きる】という部分がブレない範囲で、働く形態を変えるのであれば、問題はないのですが、自分の長年の夢を実現させたい】【自分もいつかこの道での成功者になりたい】と自分中心の考え方にシフトしてしまうと、それはもう【子どもの幸せを最優先で考える】というBの生き方ではなくなってしまいます。

そして、男性が、実際に会社を辞め独立したとすると、生き方がBの【平凡で庶民的の生き方】という基盤の上に、Aの【ドラマや漫画の主人公型の生き方】という異質な基盤が乗せることになります。

それは男性の【生き方の覚悟】がブレてしまったことを表します。すると、これまで男性と配偶者が一体となって【子ども中心】にがっちり固まってた基盤が、男性側の支えが外れてしまうことによって、脆くなっており、そこに、上の基盤である【A.ドラマや漫画の主人公型の生き方】が重くのしかかることになるので、その家庭は一挙に崩壊してしまうのです。

その他にも、長年、都会でサラリーマンをしていた男性が、自然の中で人間らしい生活をしたいという衝動に従って退職、田舎へ行く事後報告をしたことで、家族とトラブル、のちに離婚。これも、【子ども中心】のBの生き方から、【自分の感覚中心】のCの生き方にシフト、脆くなった基盤の上に、異質の基盤が乗ったため、家庭が総崩れしました。

この事も例えば田舎に住むことが【子どもの健康のために】という子供中心の考え方であるなら、運気は落ちないので、離婚どころか、返って一家の団結は強まり、返って仲良く過ごすことができるでしょう。

以上の例を見ても、途中で当事者の【覚悟】が変化し、【生き方の基盤】を変えた場合は、否応なしに、当事者の運気は急降下し、当事者も、家族も同時に辛い思いをすることになります。

生き方を変えるための対応策

本来の生き方は変えない方が良いのですが、どうしても途中で変更しないといけない場合も、あると思います。

その運気の低下を最小限にするためには【次の生き方にシフトする前に、現在の生き方を一度全部清算すること】です。

要するに、責任を最小限にするため、なし崩しに動くのではなく、実際に動く前に必ず、ご家族をはじめ、身内親族に対して、しっかり状況を説明し、その時、噴き出すトラブルにも逃げず、誠実に対応するのです。

離婚するものは離婚する、配偶者への慰謝料や財産分与、子どもへの養育費、一族から嫌われる覚悟をするなどと、しっかり向き合って、これまでの生き方の基盤をすべてゼロにしてから、次の生き方を1から作り上げます。これも一つの覚悟の形ですね。

結局、A~Eどの生き方を選ぶにしても、その生き方に対して必要な覚悟が足りず、フラフラと気分で生き方を変える人は、決して満足のいく人生を生き切ることができません。

昨今、テレビやネットを賑わせている、トラブルの渦中で炎上している方々も、どこかで、生き方にブレが生じており、その方々の矛盾を、我々は直感的に感じるから、批判が集中するのです。

最初からブレずに一貫性を持って、行動している人、現実に向き合い、しっかり責任を果たしている人は、そのたたずまいから次第に信用が積み重なり、それに伴い、運気もどんどん上がっていきます。

<参考:算命学 心技篇(下)高尾義政著>


最後に、この有名人の言葉で閉めたいと思います。

最低の犯罪者とは、間違ったものを目にし、それが間違っていることに気づいたにもかかわらず、そこから目を背けてしまう人たちだ。

ボブ・ディラン

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